スペインの伝統の踊りフラメンコには、貧しい人々が困難な生活の中で表現できない苦しみや
悲しみ、歓喜の想いが表現されています。
ロマ(ジプシー)の家庭やお祭りで楽しまれていたフラメンコが、19世紀、カフェ・カンタンテという
フラメンコ酒場(セビージャで発祥)で披露されるうちに、伴奏としてギターが用いられる様になり、
今のフラメンコの形に発展したといわれています。
本場といわれる土地は、ヘレス・デ・ラ・フローラをはじめ、カディス、セビージャとアンダルシア地方に
集中し、伝説的なフラメンコアーティストはこの地方の出身者が多いことからもわかります。
その後、20世紀に入ると不況とスペイン内戦など伝統的なフラメンコは停滞しますが、1950年代に
情勢が安定すると再びフラメンコが脚光を浴びはじめ、カフェ・カンタンテに代わるタブラオという
フラメンコを観賞できる場所が登場しました。